ヒューマンエラー2

   ヒューマンエラー2

 

               早朝の製鉄所

 

    雑巾を使い、たった1人で機械の手入れをしているエヴァン。

 

エヴァン こんなに汚れて。まったくあいつらには困ったもんだな。手入れをするようきちんと言わんとな。

 

    機械と楽しく会話をするように笑顔で機会に語りかけるエヴァン。

 

    そこに、足音がきこえてくる。

 

エヴァン !! 誰だ!?

 

セドリック 社長。

 

エヴァン お、お前か。な、なんだ?

 

セドリック この工場は社長の代で終わるんですか?

 

エヴァン  ・・知っていたのか。

 

セドリック 昨日ききまして。本当ですか?

 

エヴァン  ・・まあな。

 

セドリック 半年前の件でですか?

 

エヴァン  それもあるな。

 

セドリック 考え直していただけませんか?

 

エヴァン  すまんな。もう決まったことだ。

 

セドリック ・・そうですか。

 

   セドリック、立ち去ろうとする。わ

 

エヴァン  セドリック。

 

セドリック はい。

 

エヴァン  お前はうちに来て何年目だ?長くなるな。

 

セドリック 15年目です。

 

エヴァン  工場長になってからは?

 

セドリック 4年目です。

 

エヴァン  うちも商売だ。人員を増やすことで回転率をあげようとする気もわかる。

 

セドリック はい。

 

エヴァン  だがな。お前には自分が使う機械に思いやりがない。

 

セドリック えっ?

 

エヴァン  機械の異常に気づきにくいのも、お前が機械と距離を置いているからだ。

 

セドリック ? 意味がわかりません。

 

エヴァン  それがわからんうちはお前の企画には賛同できんよ。

 

      立ち去るエヴァン。社長。

 

セドリック ・・社長。