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カーターの寝室
寝ているカーター。
夢の中
ジャック おい、カーター。
寝室のベッドで眠っているカーターをそばで呼びかける若い姿のジャック。そして、カーターがジャックの声で目覚め起き上がる。
カーター なんだ。また出てきたのか。
ジャック なんだとはなんだ。お前が俺を忘れようなんてできないだろ。
カーター それもそうだな。お前はいつも私から離れようとしない。
ジャック 勘違いすんなよ。お前が俺を離さないんだろ。
カーター ・・いいかげん、成仏したらどうだ。このままじゃ私の方が先に逝っちまう。
ジャック それはないさ。お前が逝く時は俺も一緒だ。
カーター そうならないことを願いたいな。
ジャック わかってるだろ。なんせ俺は・・。
カーターの視界が霞み、ジャックの姿まで霞んでいく。
朝 カーターの部屋
目覚めて起き上がるカーター。
カーター ・・ああ、知ってるとも。お前は私の・・。
カーターのオフィス
ナイジェル カーターさん、カーターさん。
廊下からオフィスへ小走りで入ってくるナイジェル
カーター 相変わらず騒々しいな。今度はなんだ?
ナイジェル なんだと思います?
カーター 知らん。わからないからきいとるんだ。
ナイジェル それもそうですね。ジャジャン!これを見つけたんです。
雑誌をカーターに見せるナイジェル。表紙にはACTORのタイトル文字。
カーター ? なんだそれは?
ナイジェル 昔の雑誌ですよ。なんか人気劇団の特集みたいです。
カーター 私には関係ないだろ。
ナイジェル 私も最初はそう思っていたのですが、これ!
カーター !
ナイジェルが雑誌のページを開いてカーターに見せる。そのページには若いカーターの姿が。
ナイジェル これカーターさんですよね?いやあ、若いなあ。
カーター それをどこで見つけたんだ?
ナイジェル 資料室です。資料の本から知恵を借りたくて。それにしても、カーターさんが劇団員だったなんて初耳ですよ。
カーター ・・・。
ナイジェル もしかして、主役だったとか?
カーター ・・まあな。そんな時期もあった。
ナイジェル 本当に!?それは観たかったです。他の雑誌になら載ってるかも。
カーター それはないな。取材はその1回だけだ。メディアが見せたがるのはせいぜいテレビにも出るような有名人ばかりだからな。
ナイジェル それは残念。それにしても、カーターさんにも若い頃があったんですね。
カーター 当たり前だ。人を化け物扱いするな。
ナイジェル すみません、最初に会った頃と今が変わらないもので。
カーター お前もな。話は終わりか?
ナイジェル ええ。
カーター しばらく散歩してくる。
公園
ベンチに座り、ジャングルジムやブランコなどの遊具で遊ぶ子供達を見ているカーター。
回想 舞台場
ジャック おいカーター、少しはガキの気持ちになって遊んでやってみろよ。そうすればもっと上手くなる。
若いカーター 何を言っているんだ!せっかくの公演に遊びなんてふざけている!少しは真面目に考えてくれ!
ジャック お前のそういう素直じゃないところがちっとはなくなればな。
若いカーター お前のように軽い気持ちでできるものか!大事な舞台なんだぞ!
ジャック 大事な舞台だから楽しむんだろ。
回想終わり ?
? おじいさん?
ベンチの横から子供の声がする。
カーター うん?
振り向くと、遊具で遊んでいた子供達のうちの3人。
子供A 大丈夫?
子供B 声きこえてる?
子供C 意識ある?
次々と質問してくる子供。
カーター ああ、大丈夫だ。ボーッとしていただけだ。心配ない。
子供A.B.C 良かったー!!
カーター 心配かけたな。すまなかった。
子供達は手を振りながら遊具遊びに戻っていく。
カーター ・・・。
(ジャック 少しはガキの気持ちになって遊んでみろよ。)
カーター !
カーターの頭の中でジャックの言葉が浮かんでくる。
カーター ・・そんなものは私にとってはナンセンスだ。今でもな。
カーター、公園から立ち去る。
カーターの事務所
カーター 戻った。
ナイジェル カーターさん、帰ってきましたか?
カーター なんだ?
ナイジェル 大変なんです!あのクリスって子が。
カーター ?